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絵日記 - 2017/02/11 22:33 更新

無題

久々に観た映画『マシニスト』(THE MACHINIST)
2004年、スペイン/アメリカ合作。

機械工である主人公トレバーの、人生の一幕。
主演のクリスチャン・ベールの激痩せ役作りが当時話題になったそうです。

なんというか、胃が痛くなる映画でした…。
褒め言葉です。

物語は彼が患っている不眠症の謎(1年前に何があったのか)に迫っていくわけですが、
・トレバーが送る無限ループ生活の意味
・そこに現れた謎の男アイバン、彼がトレバーを“相棒”と呼ぶ意味
・分かれ道ではいつも左にしか行かない理由
・1時30分
と、象徴的な要素をたびたび出してくれるのですんなり見てられました。
冗長な部分、無意味な要素などは特に感じず、それこそ機械の様に精巧かつ丁寧に作られた印象。

だんだんと不安定になっていくトレバーを見ていると(…いや、結果的には本来それでいいんですが)、何だか胃が…。

終盤、実は妄想と現実が入り乱れていた事に気づくと情報整理がちょっと大変だったんですが、
そこでいろいろ気づくとまたちょっと胃が…。
なんかね…過ちから逃げ続けて一向に救われないトレバーの状況が、自分みたいで。

あの冷蔵庫のメモ書き「****ER」、僕は最初「MURDER」だと思ったんですね。シャイニング的な。
オープニングの映像は、殺人の証拠隠滅を図ろうとしていたのかな、と。
ところが最後まで見てくと、意味的に間違ってはいなかったんですが、“事”じゃなくて、
その事をする“人”の方を指していたわけで。
ついでにオープニングのそれとも関係なくて。
またそれでね、画面の中の主人公もそうなんですが、観ている自分もハッとするわけです。なるほど、と。

そして仲良しのウェイトレスさんと、懇意にしている娼婦と、自分の母親とが重なってたのも
アイバンの言う「ボロボロの記憶」だったわけで。これまたなるほど、と。

でも、最後は観てるこっちも救われます。
観るのに割とパワー要ったのですが、もう一度観たい映画です。

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web拍手にメッセージをいただいていたので、お返事いたします。
ありがとうございました。よろしければ、またどうぞ。